ウォーレン・バフェットがキャッシュを増やすなか、買い増しした銘柄について

2025 1/27

2025年1月27日 2025年1月27日

ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイは、最近の投資動向で再び注目を集めています。
同社は2023年第3四半期に複数の株式を売却し、現金保有額を1572億ドルという過去最高レベルまで引き上げました。
この現金重視の姿勢は、バフェット氏が将来の不透明な経済環境や新たな投資機会を見越していることを示しています。

一方で、オクシデンタル・ペトロリアム（OXY）への投資は例外的な動きといえます。同社株式を追加購入した結果、バークシャー・ハサウェイの保有比率は28.15%に達しました。この背景には、原油価格の上昇や化石燃料需要の根強さに対する確信があります。特に、冬季の寒波が予想される米国では、暖房用燃料の需要が急増する可能性があり、WTI原油先物価格の上昇が市場に影響を与えています。

また、オクシデンタルは二酸化炭素回収技術（CCUS）を含むクリーンエネルギー分野にも注力しており、バフェット氏の「未来志向」の投資哲学に合致しています。化石燃料だけでなく、環境への配慮を取り入れた事業展開が評価されている点も見逃せません。

エネルギー業界の再編とその背景

エネルギー業界では、大型の再編が進行中です。エクソン・モービル（XOM）はシェールオイル大手パイオニア・ナチュラル・リソーシズを約600億ドルで買収すると発表し、シェブロン（CVX）は同業他社ヘスを530億ドルで買収する計画を明らかにしました。これらの動きは、再生可能エネルギーへの移行が進む中でも、化石燃料が依然として重要なエネルギー源であることを示しています。

特に新興国の経済成長に伴うエネルギー需要の増加は、大手エネルギー企業が競争力を維持し、市場シェアを拡大するために買収を進める重要な理由となっています。また、これらの企業はクリーンエネルギー技術への投資も強化しており、持続可能な成長を目指しています。

バフェット氏のポートフォリオと他の注目投資

バークシャー・ハサウェイのポートフォリオはアップル（AAPL）やコカ・コーラ（KO）などの巨大企業株が主力ですが、エネルギー分野への投資も際立っています。シェブロン（CVX）やオクシデンタル（OXY）など、エネルギー企業への投資比率が高まっており、特にエネルギー価格の上昇局面で利益を享受しています。

一方で、株式売却を進めた分野もあり、これには住宅ローン金利上昇が懸念される中で不動産関連銘柄や消費財セクターの一部が含まれています。このように、バフェット氏は市場動向を的確に分析し、収益性の高い分野に集中投資を行う戦略を取っています。

メキシコの大富豪もエレルギー産業に投資

メキシコの大富豪カルロス・スリム氏は、通信業界で築いた富を元手に、エネルギー分野への投資を積極的に進めています。彼は最近、石油精製会社PBFエナジーと石油生産会社タロス・エナジーに総額約10億ドルを投資しました。スリム氏の戦略は、化石燃料の需要が当面堅調に推移するという見通しに基づいており、新興国を中心としたエネルギー需要増加を視野に入れています。

また、スリム氏はエネルギー分野でのインフラ整備にも注力しており、石油精製や輸送に関する効率化プロジェクトにも関与しています。これは彼の投資哲学である「成長分野への長期投資」を象徴する動きといえます。